古い写真の修整と修復

写真は、なぜ変色するのでしょうか?

 

古い白黒写真の変色は、主に制作上の処理の仕方に原因があります。銀塩写真は、印画紙に露光して現像液で現像処理し、弱酸性液で現像をしてから定着液で定着処理、最後に水洗、乾燥という流れで完成します。

現像液が古いと、時間と高温多湿の条件で銀が表面に集まります。また、処理後の水洗処理が足りないと、印画紙に薬品が残り変色・退色します。古い写真は変色するものだと思ってください。

そのまま放置していると画像自体がなくなる可能性がありますので保存の方法を考えましょう。

 


大切な写真は長く残したい

元の写真が変色し部分的に明るさも変わっています。傷や汚れもあり修整が必要でした。和装に帽子は相当時大正時代にはオシャレだったのでしょうか。


お客さんの希望によりセピアにせずに白黒にしました。傷や汚れも直し、全体の調子も落ち着いた感じになりました。


傷も剥がれたところも修整し、違和感が無くなっています。画像が残っているうちが複写をするチャンスかもしれません。

写真がかなり傷があり、修整が必要でした。写真自体は大きめだったので触りやすそうです。昭和の戦争が終わった頃の写真で、皆んな和やかな感じに見えますね。


全体に画像が薄くなっているのを濃くしてはっきりさせました。頭や左側は銀が露出して光っていました。少しは見やすくなったと思います。

 

今、お札で話題の渋沢栄一が活躍した時代ではないかと思われます。

一部、もう画像が消えかかっています。無いものは想像でしか考えられませんので、早めに複写しましょう。


顔や周辺の擦れた跡がありました。アルバムにあったのを出したりしていると、傷が付きやすいです。

時代は大正ぐらいでしょうか。顔に傷が入っています。だいぶん擦れた部分があります。


細かく見るとかなり傷が目につきました。破れた場合は残った写真も一緒にしておくと複写の時に助かります。

かなり傷と破れが気になります。背景がお洒落なスクリーンバックですね。やはり大正時代でしょうか。